ソーシャル・インパクト・ボンドQ&A
Q1:ソーシャル・インパクト・ボンドは「ボンド(Bond:債券)」とありますが、債券なのでしょうか?
A1:元本が保証される金融商品の債券という意味ではありません。海外でも債券が発行された事例はありますが、元本保証ではなく、成果に応じた支払いを行う仕組みとなっています。
Q2:ソーシャル・インパクト・ボンドという呼称は、日本でも一般的なんでしょうか?
A2:日本では、ソーシャル・インパクト・ボンドという呼称が主に利用されていますが、他に社会的インパクト債や社会貢献投資などと呼ばれることもあります。海外では、ヨーロッパを中心に「SIB:Social Impact Bond」が一般的に利用されていますが、例えば、アメリカでは「PFS:Pay for Success」、フランスでは「SIC:Social Impact Contract」、オーストラリアでは「SBB:Social Benefit Bond」等がソーシャル・インパクト・ボンドと同等の意味で利用されています。
Q3:「ソーシャル・インパクト・ボンド」=「社会的インパクト投資」なのでしょうか?
A3:「ソーシャル・インパクト・ボンド」=「社会的インパクト投資」ではありません。社会的インパクト投資は、ソーシャル・インパクト・ボンドを含むより広い考え方であり、社会的利益と経済的利益の双方の実現を目指す出資・融資等含めて様々な手法が存在しますが、ソーシャル・インパクト・ボンドもその手法の一つです。社会的インパクト投資について、詳しくは、「日本における社会的インパクト投資の現状2016」をご覧ください。
Q4:日本での導入事例はあるのでしょうか?
A4:日本では、2017年3月に八王子市(大腸がん検診受診率向上)及び神戸市(糖尿病性腎症重症化予防)において、複数年かつ成果連動型の本格的なSIB予算が成立し、2017年4月以降でSIB契約が締結され、サービス開始となる見込みです。さらに、複数自治体(各市町村単独、県+市町村等)で本格的なSIB導入に向けた検討も複数都道府県で推進しています。その他、厚生労働省によるモデル事業を含め中央省庁でもSIBに対する関心が高まっています。
Q6:日本での資金提供者はどのようなところが考えられるのでしょうか?
A6:金融機関、財団、企業(CSR、投資)、個人篤志家、クラウドファンディング等が考えられ、実際に複数の金融機関を含む資金提供者候補に関心を持っていただいており、具体的な案件を含めた資金提供に係る意向の確認を進めています。